ドメーヌ マズール
南仏ローヌの魔術師“マズール氏”が造るワインは驚きの生命力!
16世紀より代々コート・デュ・ローヌ地区でワインを造り続けているマズール家。現在では、150ヘクタールもの自社畑を所有する由緒ある蔵元です。代々続く蔵元だけあって、樹齢100年以上のぶどうの木が植えられている畑や、丘の上に広がる日当たりの素晴らしい斜面に畑を所有しています。伝統的な醸造法を継承しながら造られるワインは、その生き生きとしたパワフルな生命力に驚かされます。オーナーのマズール氏が言うには、ワイン醸造においてはぶどうの品質が一番大事で、後はそのぶどう本来が持つポテンシャルを最大限にワインに浸透させることが必要と力説します。彼は、良く出来た年のワインを長期間タンクや樽で寝かせて熟成させています。彼の造るワインの真価は、その長期熟成が可能である上に素晴らしい状態に変貌することです。マズール家のワインは、フランス国内ではレストランや専門店のみに販売しており、欧米のワイン専門家や有名評論家が目を付けて接触して来ますが、彼の性格がそういった投機的なビジネスマンたちを受け付けなく門前払いしてしまうことも彼の魅力かもしれません。
マズール氏のワインの凄さ
2005年に彼の友人であるワイン商から凄いローヌの造り手がいると紹介されて蔵元まで見に行ってきました。ローヌ地方の南に位置するワイナリーは、石造りの古い醸造所で、特に新しい機械や設備が整っている訳でもなく、オーナーのマズール氏はよれよれのポロシャツを着た、ビジネスマンなどとはかけ離れたイメージのラフなオジサンという感じでした。試飲して驚いたことは、大樽やタンクに収穫年から10年以上経ったヴィンテージワインを保存して、そのワインは開けた瞬間は、それほど熟成されたというニュアンスが無いのですが、30分、1時間と経つにつれて甘い香りがグラスに充満してきて、酸味がまろやかに渋味も溶けるような柔らかさに変化して来ます。何故、こんなに華やかに変化する熟成ワインが造れるのかと聞いたところ、“それは代々からの秘伝の醸造方法さ!”と一笑していました。かといって、新しいヴィンテージを飲むと新鮮な酸味にたっぷりとした熟した果実味が調和されて、これもとても美味しいのです!今までローヌワインで感じた事の無い驚きと感動を与えてくれたマズール氏でした。